米Harris Interactiveが米国時間6月11日に,インターネットの医療情報に関して調査した結果を発表した。医療情報収集の目的でインターネットを利用する成人(米国309人,フランス327人,ドイツ407人,日本275人)を対象にアンケートを実施したところ,ほとんどのユーザーがインターネットの情報を「信頼性があり,内容も充実していて,見つけやすく分かりやすい」と評価しているという。

 米国とフランスでは,回答者の93%がインターネットの医療情報を「信頼性がある」と答えた。また米国では,85%が「分かりやすい」,82%が「充実している」と回答。フランスとドイツでもインターネットの医療情報に対する評価は高い。日本は少しばかり懐疑的だが,それでも56%が「わかりやすい」,59%が「充実している」,80%が「信頼性がある」と回答した。

 ドイツでは,医療情報収集の目的でインターネットを利用するユーザーの50%が「インターネットは自身の健康問題を理解するのに大きく役立っている」と回答。フランスではこの割合が49%,米国は34%,日本は30%だった。

 ユーザーはインターネットで取得した医療情報を,「医師との話し合い」(ドイツで33%,日本で17%),「自身の健康管理」(ドイツと日本で24%,米国で16%),「治療の承諾」(ドイツで19%,日本で13%)に役立てたという。

 米国の場合は,他の国よりインターネットの医療情報に敏感だ。インターネットで取得した医療情報を参考にして「医師と話し合った」回答者は38%,「市販薬を購入した」回答者は23%,「特定の処方薬について医師に質問した」回答者は14%,「診察を予約した」回答者は14%,「治療法を変えた」回答者は9%だった。

 インターネットで医療情報を取得する患者が増えているため,医師と患者の関係が薄れることを懸念する意見もある。しかし,こうした心配をする回答者は日本で10%に達したものの,他の3カ国では5%に満たなかった。

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