セイコーエプソン(本社:長野県諏訪市)と英Cambridge Display Technology(CDT)は現地時間6月14日に,LEP(発光ポリマー)ディスプレイ製造装置の合弁会社設立で合意に達したことを明らかにした。名称は「Polyink」。

 LEPは溶媒に解けやすい性質を持っており,インク・ジェット方式でRGB(赤,緑,青)の層を印刷することが可能。エプソンとCDT社は過去数年にわたり,このポリマー素材を利用したインク・ジェット・プリント技術の共同開発を行った。エプソンのインク・ジェット・プリント技術とCDT社のインク作成技術を組み合わせる。「ピクセルを形成する液滴が非常に小さく,大がかりな開発を要した」(両社)

 両社は,共同開発技術を利用したインク・ジェット・プリント装置を市場に投入する。エプソンのプリント・ヘッドとインクを用いる。インクの作成手法はCDT社がエプソンのプリント・ヘッド向けに開発した。

 新会社では,「高解像度のアクティブ・マトリクス・ディスプレイを手がけるディスプレイ・メーカー向けに“トータル・ソリューション・パッケージ”を提供する」(両社)としている。

 CDT社はフラット・パネル・ディスプレイ向けにポリマー技術の研究開発と商用化を手がける未公開企業。CDT社のLEP技術は,情報管理,コミュニケーション,エンタテインメント用の幅広いエレクトロニクス・ディスプレイ製品を視野に入れている。ライセンシにはエプソンのほか,台湾のDelta Optoelectronics,米DuPont Displays,英MicroEmissive Displays,ドイツのOSRAM,オランダのRoyal Philips Electronicsなどが含まれる。

◎関連記事
三洋電機と米Kodak,カラー有機ELパネル量産に向け合弁会社を設立
米コダックがSNMD社に有機LEDのライセンスを供与,両社間の特許問題を解決
米ANIがカーボン・ナノチューブ技術を利用した14インチ・ディスプレイをデモ
韓国サムソンと米UDCがリン光発光技術を使った有機LEDをデモ
米イーインクが“電子ぺーパー”の新しい製品ラインを発表
「2003年半ばに“電子ペーパー”の実用化を目指す」---米イーインクと蘭フィリップス
米E Inkが厚さ0.3mmの「世界で最も薄い」電子ペーパー・ディスプレイをデモ

[発表資料へ]