米IBMは医療保険会社向けの保険請求処理サービスを米国時間6月13日,発表した。インターネットを介して自動的に保険請求を読み取り,処理を行う。

 保険会社は,印刷書類を扱う作業を大幅に削減できるほか,多数の保険加入者にカスタム化したポリシーを提供して,疾病予防と健康プログラムを向上することが可能になる。オンライン・ヘルプを提供したり,インターネットを介して保険加入者の問い合わせに対応することもできる。

 今回発表したサービスはオンデマンドのe-businessサービスを医療業界向けに拡張したもの。「保険請求の印刷書類を処理する労働費用は全米で年間2500億ドルにのぼると推測される。保険会社でこのサービスの幅広い普及が進めば,保険請求処理費用を50%削減できる。保険会社はリアルタイムで保険請求を処理し,医師,病院,製薬会社に支払いを行うことが可能だ」(IBM社)

 このサービスでは,米deNovisのアプリケーション・ソフトウエアとIBM社のe-businessインフラを組み合わせる。deNovis社のソフトウエアはポリシーや規則,規定を電子形式で読みとり,自動的に適切な決済を行う。そのため,各加入者に対応したポリシーを設定することが可能。保険請求管理だけでなく,給付の選択,顧客サービス,掛け金請求といった作業も低コストで高速処理できるようになる。

 IBM社とdeNovis社は戦略的提携を結んでおり,deNovis社はトランザクション処理アプリケーションとウエアハウス・インフラをIBM社のeServer pシリーズ,同zシリーズやDB2,WebSphereに最適化する。

 米Empire Blue Cross and Blue Shieldがこのシステムを導入する最初の保険会社となる。Empire社は470万人の加入者を抱えている。IBM社とEmpire社は,ソフトウエア強化,修正,テストなど,中核アプリケーションの開発と保守に関しても協力する。

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