WWWブラウジングの標準技術の普及を図る組織The Web Standards Project(WaSP)が,WWWブラウザ/オーサリング・ツールの開発者を対象にした教育活動を開始する。WaSPが米国時間6月11日に明らかにしたもの。開発者が標準技術を遵守するよう活動を進めるという。

 WaSPは,WWWデザイナ/開発者/ユーザーらが集まり1998年に設立した組織である。WWWコンテンツ開発を容易にしてコストを削減するとともに,アクセシビリティを向上させるための活動を行っている。「その結果,WWWブラウザ・メーカーが標準技術に従うようになり,最終的に“一つの文書をあらゆる環境で閲覧できる”という目標を達成した」(WaSP)

 しかしWaSPによると,WWWデザイナ/開発者は旧態然とした手法を使用していることが多いという。「(WWWデザイナ/開発者は)文書構造を軽視し,アクセシビリティを無視し,標準的でない独自のコードを使いたがる。そのため,個人や大企業を問わず,未だに多くのWWWサイトが膨大な数のビジターを門前払いにしている状態。これが反感を生み,収益減少を引き起こし,さらに,アクセシビリティを主張する人々による訴訟にまで発展することになる」(WaSP)

 「ブラウザが標準技術に対応したことは,まだ戦いの半分が終わったに過ぎないことを意味している」(WaSPリーダーのJeffrey Zeldman氏)

 そこでWaSPはその活動の第2段階目として,WWWサイトのデザイン/開発に使用するツールにおける標準技術への準拠とアクセシビリティに注力するという。「これらを標準技術に対応させることで,WWWサイトの開発コスト削減と使い勝手の向上が実現できる」(WaSP)

 さらにWaSPは,「(標準技術への対応は)WWWアクセシビリティに対する法律上の要求事項を満たすことにも役立つ」と説明する。「米国などの国々では,WWWサイトに完全にアクセスできることを法律で規定している。標準技術に対応することで,これらの法律に対応できる。独自のコードや古い手法では,間違いなく違反となってしまう」(WaSP)

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