米J.D. Edwardsと米IBMが米国時間6月12日に,特定業界向けソフトウエアと設定済みサーバーとを組み合わせた“ソリューション・セット”を提供すると発表した。中・大企業の顧客に向ける。「eビジネスによる協業を実行する際に,危険/複雑さ/コストを低減できる」(両社)という。
「IBM社とともに提供するこのソリューションは,顧客が必要とするコンポーネントを一つにまとめている点がユニークである。これにより,TCOを削減し,導入システムの検討作業を簡素化する。その結果,顧客は業務をより簡単に遂行できるようになる」(J.D. Edwards社上級副社長兼COOのHank Bonde氏)
両社はこれまで,IBM社の「eServer iSeries」をJ.D. Edwards社のソリューション用に設定し,「eServer for J.D. Edwards」として提供してきたが,今回これに「eServer pSeries」「同xSeries」を加える。
eServer for J.D. Edwardsは,J.D. Edwards社のエンタプライズ・ソフトウエアのほか,「IBM DB2 Universal Database」,「IBM TotalStorage」ソリューション,「IBM WebSphere 3.5.4」インターネット・インフラ・ソフトウエアに対応する。
J.D. Edwards社のソリューション・セットを使うことで,財務管理,調達,製造,配送,注文処理,資産管理,顧客/納入業者セルフ・サービス,人事管理などの業務を処理できる。提供するソリューション・セットの内容は以下の通り。
・「J.D. Edwards - Consumer Packaged Goods」:CPG(日用雑貨や食料品)メーカー/卸売業者向け
・「J.D. Edwards - IFA Solutions」:工業製品のメーカー/卸売業者向け
・「J.D. Edwards - Wholesale/Distribution」:倉庫/配送業務向け
・「J.D. Edwards - Real Estate」:商用/企業における不動産業務向け
またJ.D. Edwards社は同日,同社のCRMアプリケーションをIBM社のLinuxベースのインフラに対応させる計画についても明らかにした。J.D. Edwards社がLinuxに対応するのはこれが初めてという。
IBM Global ServicesとJ.D. Edwards Consulting Servicesが,アプリケーションのインストールおよび設定作業のサポート業務を行う。J.D. Edwards社のCRMアプリケーションを含めた全ソリューション,IBM社のソフトウエア/ハードウエア/Linuxに対するサービスおよびサポートも行う。
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