世界中の主要なモバイル事業者,モバイル機器およびネットワーク・サプライヤ,情報技術企業,コンテンツ・プロバイダなど約200社が新たな業界団体「Open Mobile Alliance(OMA)」を結成した。フィンランドのNokiaが現地時間6月12日に明らかにしたもの。

 国,事業者,モバイル端末の違いに関係なく動作し,顧客のニーズに対応した相互操作性のあるサービス作成を支援する。新たなモバイル情報,通信,エンタテインメント・サービスの幅広い普及促進を図る。

 OMAは,2001年11月に始まった取り組み「Mobile Open Architecture Initiative」やWAP(Wireless Application Protocol)の標準化を進める業界団体WAP Forumの活動を統合する。業界全体にわたる協力体制を確立し,ユーザーにシームレスなモバイル・サービスを提供することを目指す。ブラウジング,メッセージング,コンテンツ・ダウンロード,同期化などのアプリケーションを視野に入れる。

 「今回の発表は,GSM仕様の最初のリリースに匹敵するほど重大だ。GSM仕様は事業者から大きな支持を得て,1990年代のモバイル業界に功績を残した。OMAは,機能を完備した商用モバイル・サービス向けシステムに必要な仕様の策定を進める。相互操作性のあるオープンで明確なAPIを提供する。これにより技術革新を促進し,サービスとコンテンツ作成に最適なモバイル・プラットフォームを実現する」(Nokia社Mobile Software部門上級バイス・プレジデントのPertti Korhonen氏)

 OMAの主な活動内容は以下の通り。

・市場や顧客の要求に対応した質の高い標準規格と仕様の提供。
・ベスト・プラクティスの確立と相互操作性テストの実施。
・業界共通の概観の作成とプロモーション。
・標準化団体の活動を統合。IETF,3GPP,3GPP2,W3C,JCPといった既存の標準化団体と協力。

 なお,米Microsoftと米Sun MicrosystemsもOMAへの参加を同日表明している。

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