米Digital Angel社が米国時間6月11日に,犯罪者の監視を行う米国最大手のBI社と長期的な提携関係に入ったことを発表した。この提携により,同社は刑事事件の犯罪者を追跡するためにGPSベースの製品を提供する。

 衛星をベースとしたシステムは,Digital Angel社のGPS技術,無線技術プラットフォーム,ネットワークをホストするオペレーション・センターで構成される。

 提携によりBI社は,Digital Angel社のGPS技術と無線プラットフォームを製品に統合する権利を獲得し,コミュニティの監視下にある犯罪者を1日24時間週7日間継続的に監視することができる。

 同社の製品は,犯罪者が自宅にいるか外出中かを監視する電子モニタリング・システム「HomeGuard 200」,毎日の電話で犯罪者のスケジュールを監視する音声認証システム「VoiceID」,検査結果を電話を介して中継するリモートのアルコール・テスティングのデバイスなど現在IB社が使用している監視ソリューションを補完するものとなる。

 同社は,これらのデバイスにより,犯罪者が裁判所や行政機関の制裁規定に従っているか確認できるため,公衆安全が向上するとしている。別の調査報告によれば,現在米国において,保護観察下にある犯罪者数は450万人を越えているが,同年中にさらに60万人が釈放され,地域コミュニティに戻って行くという。GPS対応のトラックング・システム「Digital Angel」を危険度の高いと見なされる仮出所者に持たせることにより,心理的抑止作用が働くとともに,保護監察制度のストレスを軽減できる可能性があるという。

 同GPSシステムの出荷時期と機能の詳細に関しては,同年後半に発表される予定。

◎関連記事
米コンパックの「iPAQ Pocket PC」と米ESRIのGISソフトを森林火災の消防活動に
パイオニアがGPS携帯電話の位置情報をパソコンから管理できるサービスを開始
体内埋め込みIC「VeriChip」,“知性の領域への侵食”は許されるのか

発表資料へ