米Adobe Systemsは米国時間6月5日に,ドイツのSAP AGと技術とマーケティングに関して世界規模の提携を結んだことを明らかにした。Adobe社の「Adobe Acrobat」および「Adobe PDF」技術をSAP社のe-businessプラットフォーム「mySAP.com」に組み込む。Adobe社は今回の提携について,「企業市場向け戦略の一環」としている。

 「企業における情報の構築と,異なる部署や地域のグループ間での共有を効率的に行えるようにする」(Adobe社)

 「製品開発の時間短縮とコスト削減を図るために,企業ユーザーやプロジェクト・チームは効率的な情報共有の方法を求めている。情報は希望通り正確に出力できることも重要だ。SAP社とAdobe社は協力体制を敷き,企業が書類ベースのばらばらな情報を,処理しやすい構造化データとして企業システムに格納できるよう支援する」

 SAP社のアプリケーションにAdobe社の技術を組み込むことにより,SAP社の顧客は間違いが発生しやすい手作業の書類処理を自動化し,データを直接SAP社のアプリケーションに統合することが可能。

 また,両社はエンジニアリングやマーケティングの能力を持ち寄り,企業にとって極めて重要な情報に関するやりとり,コラボレーション,調査,承認といった手続きの向上を図る。

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