オープン・ソースのソフトウエア開発を手がけるMozilla.orgが米国時間6月5日に,WWWブラウザ「Mozilla 1.0」を発表した。ブラウザ・エンジン「Gecko」を搭載する。

 Mozilla 1.0を使って,ユーザーはWWWブラウジング,電子メール,チャットなどの機能を利用できる。

 Mozilla 1.0はクロスプラットフォーム対応のツールキットを備えており,開発者はインターネット対応のアプリケーションを開発することが可能。ツールキットはすべてオープン・ソースなので,さまざまなアプリケーションに無償で利用できる。ツールキットには,XMLベースのユーザー・インタフェース言語「XUL」,ネットワーキング・ライブラリ,「ECMAScript」インプリメンテーション,セキュリティ・ライブラリ,暗号化ライブラリなどが含まれる。

 Geckoを組み込んだMozilla 1.0は,HTML 4.0,XML 1.0,Resource Description Framework(RDF),Cascading Style Sheets level 1(CSS1),W3C Document Object Model level 1(DOM1)に完全対応する。そのほか,Cascading Style Sheets Level 2(CSS2),Document Object Model Level 2(DOM2),XHTML,SOAP 1.1,XSLT,XPath 1.0,FIXptrなどをサポートする。MathML対応により,数学方程式を表示することも可能。データ転送プロトコル(HTTP,FTP,SSL/TLS),多言語文字コード(Unicode),画像形式(GIF, JPEG,PNG,MNG),スクリプト言語(JavaScript 1.5)へのサポートを「強固な基礎にしている」(Mozilla.org)。

 英語以外では,アストゥリア語,中国語,オランダ語,エストニア語,ガリシア語,ドイツ語,グルジア語,ギリシャ語,ハンガリー語,イタリア語,日本語,マレー語,ポーランド語,スロバキア語,ソルブ語,ウクライナ語などに対応する予定である。

 Mozilla 1.0はWWWサイトから無償で入手可能。

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