「2年前と比べて電子商取引サイトは減少しているが,生き残ったサイトや新たに登場したサイトは以前よりプロフェッショナルで使い勝手が優れている」。米Nielsen Norman Groupが米国時間6月3日に,電子商取引サイトに関して調査した結果を発表した。

 Nielsen Norman Group社が2000年に実施した調査では,同社が発行した電子商取引レポート「E-Commerce User Experience」の使い勝手に関するガイドラインに準じたWWWサイトは45%だったが,今回の調査でその割合が49%に増加した。

 「電子商取引サイトの使い勝手は『ムーアの法則』ほど急速に進歩していないが,確実に向上している。この調子なら今後15年ですべてガイドラインに準拠するようになる。もどかしくていらいらするが,2017年に電子商取引サイトを利用するWWWユーザーが最高の使い勝手を体験できるなら,私はとても幸せだ」(Nielsen Norman Group社Jakob Nielsen氏)

 2年前と比べて特に向上した5項目は以下の通り。

・製品ページにおける製品オプションの表示方法(40%から63%に上昇):すべてのオプションを一つのページにまとめたり,製品をカートに入れる前にオプションを閲覧できるようにする。

・シンプルで基本的な検索(30%から53%に上昇):キーワード入力欄一つとボタン一つを用いた簡単な検索機能の提供。高性能検索エンジンへのリンク。

・精算や登録フォームのデザイン(49%から66%に上昇):必要な情報のみを要求する。また,情報の使用目的を説明する。

・検索エンジン(8%から24%に上昇):顧客サービスといった商品以外のキーワードを入力できるようにする。綴り間違いや複数キーワード検索をサポートする。

・プロフェッショナルなWWW制作(58%から73%に上昇):技術的な問題を取り除く。古いコンテンツや現在入手できないアイテムは載せない。

 2002年の調査で対象としたWWWサイトは,BMG,Burpee,Cabelas,Eddie Bauer,Home&Garden,HSN(Home Shopping Network),L.L. Bean,Martha Stewart,Office Depot,OnlineGrocer.ca,Quillcorp,Safeway,Spiegel,Walmart,冬季オリンピック記念品サイトの合計15サイト。ちなみに今回最も評価点が高かったのは,ガイドラインに66%準じたL.L. Beanだった。「最優秀サイトでも,まだ改善の余地はある」(Nielsen氏)

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