米BellSouthが米国時間6月3日に,IP-VPNサービスのトライアルを含む企業向けデータ通信サービスの計画について明らかにした。企業向けデータ・ネットワークに関する取り組みの第3段階とする。

 BellSouth社はIP-VPNサービス「BellSouth Network IP-VPN」のトライアルを開始する。企業がBellSouth社のネットワークを利用してデータ通信の範囲を拡大し,遠隔地の社員や支社,パートナ企業や顧客とやりとりできるようにする。「ネットワーク・ベースのIP-VPNは,設備経費,セキュリティのほか,管理のしやすさや生産性向上など,企業がかかえる主要な問題に対応する」(BellSouth社データ・サービス部門バイス・プレジデントのMark Kaish氏)

 BellSouth社はIPバックボーン・ネットワークの構築を2002年末までに完了する。BellSouth Network IP-VPNのトライアルは教育,医療,交通などの業界向けに2002年第3四半期に開始する。

 その他,同社が発表した新たな企業向けデータ・サービスの主な内容は以下の通り。

・ホスティング・サービス「BellSouth Basic Dedicated Web Hosting」:専用顧客サービス,24時間7日間の監視サービス,保守サービスが付属する。米IBMの「eServer xSeries 330」サーバーと米Microsoftの「Windows 2000」を用いる。月額利用料は1000ドル未満から。

・クラスタリング・サービス「BellSouth Server Clustering」:同社のホスティング・サービス「BellSouth Managed Dedicated and Premium Co-location」の顧客向けのオプション。

・負荷分散サービス「BellSouth Global Load Balancing」:異なる地域に設置した顧客向けサーバー間のトラフィックを最適化する。

・ネットワーク管理サービス「BellSouth Managed Services for VoIP」:米Cisco Systemsの「Architecture for Voice, Video and IntegratedData(AVVID)」IPテレフォニ装置を利用する顧客向け。

・ファイアウオール・サービス「BellSouth Managed Firewall - Small Office」:小規模企業に向ける。「BellSouth FastAccess Business DSL」や「BellSouth Dedicated Internet Access」サービスと組み合わせる。

・VPNサービス「BellSouth Managed Site VPN」:中小企業に向けたCPE(顧客宅内機)ベースのVPNサービス。BellSouth Managed FirewallやBellSouth FastAccess Business DSL,BellSouth Dedicated Internet Accessサービスと組み合わせる。

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