米IBMと米Intelは無線アプリケーションおよびサービスの開発促進に関して協力体制を敷くことを明らかにした。ドイツのミュンヘンで開催中の「Intel Developer Forum, Spring 2002」で現地時間5月30日,発表したもの。

 両社は無線ハードウエアおよびソフトウエア開発者向けのソリューション提供ですでに協力している。今回の発表により両者の関係を拡大し,欧州全土を視野に入れる。IBM社がフィンランドのヘルシンキに所有する「Mobile e-business Partner Innovation Centre(MPIC)」と,Intel社がスウェーデンのストックホルムに所有する「Wireless Competence Center」を利用する。

 今回発表した取り組みでは,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)が高性能無線ソフトウエアの開発とマーケティングを行う。ソフトウエアは,IBM社のWebSphereプラットフォームをはじめ,Intel社のItanium,Xeon,Pentium 4プロセサ・ファミリをベースにしたプラットフォームや無線携帯端末向けアーキテクチャ「Personal Internet Client Architecture」などと組み合わせた利用を想定する。

 両社は,消費者と企業向け無線ソフトウエア開発者から協力メンバーを選出し,WebSphereやインテル・アーキテクチャ上で利用する無線アプリケーションの開発と性能向上に取り組む。

 「新しいサービスを素速く確実に提供することは,企業における無線e-businessの普及促進のために不可欠だ。IBM社とIntel社の協力により,アプリケーション統合を加速化し,ソフトウエア開発者が確信を持ってソリューションを提供できるようにする」(IBM社EMEA事業無線e-business部門ディレクタのGuido Bartels氏)

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