米Palmが米国時間5月30日に,2002会計年度第4四半期(2002年3~5月期)の業績見通しの下方修正を発表した。Palm社は,当初2億9000万ドルから3億ドルと予測していた売上高を2億3000万ドルに変更した。また,「“損益なし”という見込みにも反することになる」(同社)との見解を明らかにした。

 「春の需要が予測ほど伸びなかった。しかしそれよりも,前年同期,そしてここ数カ月間と比べて3~5月期は市場の状況が悪かった。PDA市場は長期的には拡大するとみているが,3~5月期は売上高と収益の目標を達成できそうもなく残念だ」(Palm社会長兼CEOのEric Benhamou氏)

 また,Benhamou氏は,「過去3カ月間,我が社はハンドヘルド業界における主導的地位を固めてきた。新しい市場,新たな地域,新世代のハンドヘルドに対する投資が,今後数年間で収益性の拡大をもたらすことを期待している」と付け加えた。

 Benhamou氏は,2002年における3項目の企業目標について「計画通り進んでいる」と述べた。3項目の目標は以下の通り。

・ハードウエアに注力するPalm社と,OSを手がける米PalmSourceの両社を,自己資本の充実した,収益性の高い成長企業にする。

・Palm社のエンタープライズ戦略をスケジュール/予算に合わせて実行する。

・PalmのOSとソリューションをARMプロセサに移行する。

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