米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は,米上院が貿易促進権限(TPA:Trade Promotion Authority)法案を可決したことについて,「米下院での迅速な議会通過を期待している」とのコメントを発表した(米国時間5月23日)。

 TPAが議会を通過すれば,「米国ハイテク業界は海外市場への輸出を拡大することができる」(SIA)。米国の半導体関連企業は売上高の50%以上を海外からの収入に頼っており,公正で競争力のある市場にアクセスできることが重要なポイントとなる。

 「欧州や日本の多くの海外競合社は多数の主要市場と自由貿易協定を結んでいる。TPAにより行政に交渉権が与えられれば,米国企業は同様の市場で競争に乗り出すことができる」(SIA議長のGeorge Scalise氏)

 TPAは,米国が世界貿易機関(WTO)の新ラウンド(多角的貿易交渉)や自由貿易協定に関する協議などを進めるうえで,重要な法案である。SIAは,半導体や情報技術製品に課せられる関税の排除,知的財産の保護強化,米通商法の維持など,WTO会談において優先度の高い議題を抱えている。

 また,中南米では依然として多くのハイテク製品に高い関税が課せられている。TPA法案が認められれば,米国企業は中南米などの地域と自由貿易協定を結ぶことができる。

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