米Satellite Broadcasting and Communications Association(SBCA)が米国時間5月23日に,米国における直接衛星放送(DBS:Direct Broadcasting Satellite)とアナログ/デジタル・ケーブル・テレビ(CATV)に関する調査結果を発表した。それによると,DBSは価格/品質/顧客サービスの面でCATVを上回っている。さらに,「サービスの変更を考えている顧客は,DBSの顧客よりもデジタルCATVの顧客の方がはるか多い」(SBCA)ことが分かったという。

 調査は,SBCAの依頼を受け米The Taylor Research & Consulting Groupが行ったもの。

 「この調査によって,消費者のDBSへの移行が続いていることがはっきりした。消費者は,アナログ/デジタルCATVが番組の量と質の面で衛星テレビにかなわないと考えている」(SBCAプレジデントのAndy Wright氏)

 価格,画像/音声信号の品質,サービスの価値観に対する満足度は,以下の通り。

・価格:DBSでは加入者の68%が満足と答えたのに対し,アナログCATVでは37%,デジタルCATVでは36%。

・信号の品質:満足と答えた加入者は,DBSが79%,アナログCATVが67%,デジタルCATVが66%

・サービスの価値観:満足と答えた加入者は,DBSが64%,アナログCATVが46%,デジタルCATVが44%。

 DBSの新規加入者に「加入の理由」を質問したところ,以下に示す結果が得られた。

・「DBSの方がチャンネル数が多い」と答えた加入者が全体の38%あった。

・「以前アナログCATVを利用していた人」の39%と,「以前デジタルCATVを利用していた人」の40%が,「CATVは高すぎる」と答えた。

・「DBSの方が画像と音の品質が高い」という理由を挙げたのが18%。

・「CATVに満足できなかった」は13%。

 「ほかのサービスへの変更に興味があるか」という質問でも,CATVとDBSの明暗が分かれた。デジタルCATV加入者の21%がDBSへの変更に関心を持っているのに対し,デジタルCATVへの変更を考えているDBS加入者はわずか5%だった。DBS加入者全体の57%は,かつてCATVを利用していたという。

 なおSBCAによると,DBSの加入者数は大幅に伸びている。2002年第1四半期における米DIRECTVと米DISH Networkの新規加入者数は合計で67万7000人おり,これで両社の累積加入者数は1766万人となった。Cバンドの衛星放送加入者(75万2942人)を加えると,1840万世帯以上が衛星放送を視聴できるようになっている。このことは,全米に4850万人以上の衛星放送視聴者がいることを意味するという。

◎関連記事
「デジタルTV新規加入者の65%は衛星利用,ケーブル利用は31%」---。Strategy Analyticsの調査
デジタル・サービス提供に注力する米国CATV事業者,2002年の資本支出は150億ドル強
「直接衛星放送サービスの米国での加入者が2005年までに2500万へ」米Yankee調べ
「デジタルTVの主要市場はアジア太平洋地域」,米アンダーセンの調査
「2005年末には米国家庭のの3610万世帯がPVRサービスを利用」,米企業の調査
「関心が高いITVサービスは“VOD”と“インターネットTV”」と米調査
「インタラクティブTV対応STBは200ドル以下でブレークへ」と米調査

[発表資料へ]