「2001年第4四半期の米国におけるインターネット広告の売上高は,7.5%減の17億ドルだった」。インターネット広告の標準策定団体のInteractive Advertising Bureau(IAB)は米国インターネット広告市場に関して調査した結果を米国時間5月23日,発表した。それによると,2001年は広告業界全体が急激に落ち込み,米国におけるインターネット広告の2001年通年の売上高は前年比12%減の72億ドルとなった。
調査はIABの依頼で米PricewaterhouseCoopersのNew Media Groupが実施したもの。
「売上高の減少は予測していたことだ。インターネット広告市場は今後も広告業界全体の状況を反映するだろう。しかし他の多くの広告市場に比べると,インターネット広告は好調といえる」(IAB)
IAB議長兼CEOのGreg Stuart氏は,「2001年におけるインターネット広告市場を,2000年との比較だけで検証するのは間違いだ。2000年はすべての広告市場にとって当たり年だった。経済の失速が2001年の市場に影響を与えたのは明確だ」と説明した。
ちなみにThomas Weisel Partners社のデータによると,大手オンライン広告販売事業者24社のうち42%が2001年に黒字を報告した。2002年にはこの割合が71%,2003年は90%に増加する見込みだという。
「他の媒体の広告市場と異なり,インターネット広告は即座に調査結果を検討し,改善を図ることができる」(New Media Group社会長のTom Hyland氏)
2001年のインターネット広告市場における最大カテゴリは消費者向け(30%)である。そのうち50%を販売店分野が占めた。
インターネット広告のカテゴリ別シェア(売上高ベース) 2000年 2001年 ----- ------ 消費者 31% 30% コンピューティング 18% 18% 金融サービス 14% 12% メディア 8% 12% ビジネス・サービス 9% 9% 出典:IAB
■大手メディア企業が占める広告収入のシェア 2000年 2001年 ---- ---- メディア企業の上位10社 70% 76% メディア企業の上位25社 83% 89% メディア企業の上位50社 93% 96% 出典:IAB
■インターネット広告収入における広告形態別シェア 2000年 2001年 ---- ---- バナー 48% 36% スポンサシップ 28% 26% クラシファイド (求人広告欄) 7% 16% スロッティング・フィー
(サイト内の特定の広告掲載場所) N/A 8% キーワード検索 1% 4% インタースティシャル/スーパースティシャル (ページ移動間に表示される広告/ 映像や音楽を伴うポップアップ広告) 4% 3% 遠視メール 3% 3% マルチメディア 2% 2% 紹介広告 4% 2% その他 3% 0% 出典:IAB
◎関連記事
■「Q3のネット広告収入は17億9200万ドルで前期比4.1%減」,と業界団体の調査
■「2002年1月~4月にオンライン広告が33%急増,1年の下降を3カ月で逆転」,と米調査
■「オンライン広告とテレビ広告の組み合わせが宣伝効果を高める」,米業界団体の調査
■オンライン広告をリアルタイムに効果測定するサービス,米ジュピター開始
■新手の“モーション広告”相次ぐ
■「オンライン広告への期待は高い,ただし効果の測定基準が必要」,と米調査
■2001年のネット広告市場は735億円
[発表資料へ]