米IBMが米国時間5月22日に,同社のUNIX OS「AIX 5L」の新機能について明らかにした。「大容量の企業データ・ウエアハウスから検索を行うビジネス・インテリジェンス・アプリケーションや,自動車の安全テスト・シミュレーションなどに用いる高性能コンピューティング・アプリケーションといった伝送速度に依存するアプリケーションの処理を向上する」(IBM社)

 主な新機能は以下の通り。

・より大きな単位の情報をコンピュータのメモリで扱えるようにする。従来の4Kバイトのページ・サイズに加え,16Mバイトのページ・サイズに対応する。

・特定の処理を行うプロセサが効率的にシステムのメモリ・コンポーネントにアクセスするよう最適化した。

 AIX 5LはLinuxとの親和性を高めており,自己管理/自己修復が可能なサーバーの開発プロジェクト「Project eLiza」の技術を取り入れている。

 またIBM社はグリッド・アプリケーション向けの「AIX Toolbox」をリリースする計画を明らかにした。オープン・ソース・コミュニティ「Globus」のソフトウエア「Globus Toolkit」をベースにし,無償で提供する。ユーザーはスーパー・コンピュータの性能,データ,アプリケーションを,Webを介して共有できる。また,アプリケーション開発者はグリッド対応アプリケーションを作成することが可能。

 グリッド・アプリケーション向けAIX Toolboxでは,インストールや設定を簡素化し,セキュリティ・ツールを強化した。そのほか,「Message Passing Interface(MPI)」「Advanced Reservation」「LoadLeveler integration」などの機能を追加する。

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