米Adobe Systems社が「FrameMaker 7.0」と「FrameMaker Server」の出荷開始を米国時間5月20日に発表した。FrameMakerは,複数チャネルでの配信を想定した大容量のドキュメントを作成,出版するためのソフトウエア。新バージョンはXMLに対応する。

 最新版では,これまで別々に購入する必要があったXMLとSGML両方に向けたオーサリング・ツールが付属している。また新しいシンプルなWYSIWYG(What You See Is What You Get)モードのワープロ・インタフェースにより,XMLに馴染みのないユーザーも出版プロセスに参加できる。

 「需要が増加しているXMLをベースとした出版には,ドキュメント編集向けとクロスメディア生産に向けた設定可能なツールが必要である。『FrameMaker 7.0』は,この両方を提供するとともに,新しいサーバー版では,企業のコンテンツ・インフラに組み込める自動化された出版ツールに対する要求に対応している」(Seybold Reportのシニア・アナリストのMark Walter氏)。

 同製品は,XMLコンテンツのオーサリング,編集,インポート,出版のサポートに加え,単一のソース・ドキュメントを印刷,PDF,HTML,eBook,PDAなどの複数チャネルに書き出すためにテンプレートを中心とした環境を提供している。そのため,他のXMLベースとしたソリューションと異なり,ファイルの共有が容易になる。またSVG(Scalable Vector Graphics)に対応しているため,Web公開用の質の高いベクトル画像を組み合わせることができる。

 共同作業やコンテンツ共有,検索を効率的に行うために「WebDav(World Wide Web Distributed Authoring and Versioning)」とAdobe社の「XMP(Extensible Metadata Platform)」もサポートしている。XMPは,出版のワークフローでメタデータをやりとりするための共通手法を提供する

 FrameMaker 7.0とFrameMaker Server 7.0は,米国,欧州,カナダでAdobe Authorized ResellersとAdobe Storeを通じて出荷されている。価格はFrameMaker 7.0の製品版が799ドル。アップグレード版(Macintosh対応とWindows対応のみ)は,発売開始後90日間の2002年8月22日まで期間限定で209ドルで提供する(それ以降は349ドル)。FrameMaker Server 7.0の価格は7999ドルである。

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