「オンラインでの音楽配信は,多数の成人ユーザーが利用しており,急速に普及しつつある。しかしプロバイダは,サービス料を徴収する適切な手法を作り出すことに苦労している」。米国のベンチャ・キャピタルVenture Strategy Partnersが米国時間5月15日に,オンライン音楽サービス市場に関する調査結果を発表した。それによると,成人の約1/3がインターネットを介して音楽をダウンロードしたり,ストリーミングして聴いたことがあるという。そのうち約1/3は,たびたびこうしたオンライン音楽サービスを利用している。

 成人ユーザーの中でも若い年齢層による利用が最も多いが,35~54才のいわゆる「ベビー・ブーマー」も35%を占めている。35~54才の視聴者は今後も増加すると,Venture Strategy Partners社は予測する。

 また,成人ユーザーの4人に1人はオンライン音楽サービスに加入する意向であり,中にはすでにメディアのダウンロードやストリーミングに料金を支払っている回答者もいた。

 オンライン音楽サービスに対価を支払ってもよいとする回答者が妥当と考える料金は,「最大50曲利用の月額料金が15ドル」または「ストリーミング曲数無制限の月額料金が12ドル」だった。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・有料サービスを定着させるには,音楽ファイルのポータブル性がカギとなる。ダウンロードした音楽ファイルが保存あるいは複製できるかどうかが,ユーザーにとって重要だ。

・音楽のダウンロード・サービスが普及するには,すぐに音楽ファイルをダウンロードできる高速インターネット接続の環境が整っている必要がある。

・多数のオンライン音楽サービスのユーザーは,気に入ったサービス・プロバイダを決めてはいないが,インターネット・サービス・プロバイダより高速サービス・プロバイダを選ぶ傾向にある。

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