米Enterpulseが米国時間5月15日に,米国WWWサイトの利用状況について調査した結果を発表した。それによると,インターネットの企業ユーザーの89%は,訪れたWWWサイトにあまり良い印象を持っていない。また「不快な経験をしたWWWサイトには,まず戻ることはない」と回答したユーザーは66%にのぼった。
Enterpulse社会長兼CEOのMichael Reene氏は,「米国のWWWサイトはユーザーの期待に応えていない。企業は潜在的顧客を半永久的に失うことになり,それはインターネットの世界において“死の宣告”に等しい」と警告する。
同氏によると,多くのWWWサイトは最新情報の提供など,基本的な要件を満たしているが,ユーザーのより高い期待に応える準備が全く整っていないという。「WWWサイトの担当者が,ユーザーの期待に応えていないという現実を認識していないことが多い。このため,ユーザーの期待とのギャップは広まるばかりだ」(同氏)
企業ユーザーの多くは,WWWサイトについて「ナビゲーションが悪い」「意思決定を補佐するインタラクティブ・ツールがない」「カスタマイズ機能がうまく動作しないことが多い」などの不満を感じている。多くの企業ユーザーが,「ユーザーの視点に立った機能を提供していないサイトで時間を無駄にするつもりはない」と答えている。
その他の主な調査結果は次の通り。
・WWWサイト経由の問い合わせに24時間以内に回答してほしいと考える回答者は90%。8時間以内に回答してほしいと考える回答者は58%。
・ユーザーの約80%は,企業のWWWサイトがユーザーより社内の都合を優先したデザインだと感じている。
・社内のイントラネットに満足している回答者はわずか半数。しかし,業務の効率化を図るために,まず自社のイントラネットを利用するという回答者は約80%。
・社内のイントラネット管理を担当すべき部署について,回答者は明確に把握していない。
・業務を行うために必要な最新情報が,WWW上で見つけやすく,アクセスしやすいことが「とても重要」もしくは「非常に重要」という回答者は合わせて95%。一方,「企業のWWWサイトはナビゲーションが良くないことがある」とする回答者は約半数にのぼった。
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