米Apple Computerは高さ1U(約4.5cm)のラックマウント型サーバー「Xserve」を米国時間5月14日,発表した。UNIXをベースにしたApple社のサーバーOS「Mac OS X Server」を搭載する。企業や教育分野用である。

 Xserveは,2MBのDouble Data Rate(DDR)3次キャッシュを備えた動作周波数1GHzの「PowerPC G4」プロセサを1~2個搭載,最大2GBの主記憶を装備する。4台のホットプラグ対応ATA/100を内蔵し,記録容量は480GBまで拡張可能。ギガビットEthernetポートを2基備える。

 Xserveには,Mac OS X Serverのユーザー数無制限のライセンスが付属する。ファイルおよびプリント・サービス,ビデオ・ストリーミング,データベース・アプリケーション,演算クラスタ,Webメールなどでの利用を想定する。

 「Xserveは,デジタル・ビデオ,高画質デジタル画像処理,大容量の化学データベースなど,高度なI/O機能を必要とするアプリケーションにも適している。米Dell Computer,米Hewlett-Packard(HP),米IBM,米Sun Microsystems製のより高価なサーバーに匹敵する機能を備えており,高速ネットワーキング,15ギガフロップの処理性能,500GB近いストレージ容量を提供する」(Apple社)

 Xserveには,ネットワーク・サービスの監視と遠隔管理を行うツール「Server Admin」,ハードウエア監視ツール「Server Monitor」などが付属する。Server Monitorでは,サブシステムの詳細な状況を閲覧したり,レポートを作成することが可能。システムの警告通知を電子メール,ページャ,携帯電話機,PDAなどで受信するよう設定できる。

 Xserveのその他の主な特徴は以下の通り。

・PCIスロットを3基(そのうち2基は64ビット/66MHz PCIスロット)搭載
・RAID(ミラーリングとストライピング)をサポート
・VGAグラフィックス・カード内蔵
・AGP 4Xグラフィックスカードをオプションで用意
・伝送速度400Mbpsの「FireWire」ポートを3基,USBポートを2基,DB-9シリアル・ポートを1基装備
・「QuickTime Streaming Server」「WebObjects」のほか,Open Sourceコミュニティによる「Apache」「Samba」「PHP」「MySQL」「Tomcat」の最新版が付属
・TCP/IP経由のAFP,SMB/CIFS,FTP,NFSをネイティブでサポート

 Xserveは2002年6月に出荷を開始する。同社のオンライン・ストア「Apple Store」やApple社認定リセラで,すでに注文を受け付けている。Xserveは2種類の標準モデルを用意する。主なシステム構成と価格は次の通り。

・シングル・プロセサ・モデル:動作周波数1GHzのPowerPC G4を1個搭載。256MBの主記憶,記録容量60GBの「ATA/100 Apple Drive Module」,ギガビットEthernetポート2基を装備。CD-ROMとユーザー数無制限のMac OS X Serverが付属。価格は2999ドル。

・デュアル・プロセサ・モデル:動作周波数1GHzのPowerPC G4を2個搭載。512MBの主記憶,記録容量60GBのATA/100 Apple Drive Module,ギガビットEthernetポート2基を装備。CD-ROMとユーザー数無制限のMac OS X Serverが付属。価格は3999ドル。

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