米Hewlett-Packard(HP)はモバイル環境からオフィスのプリンタに印刷を行うためのプリンタ・ドライバ「HP Mobile Printing Driver」を米国時間5月13日,発表した。これにより,ノート・パソコンに保存した文書などを外出先からオフィスのプリンタに印刷できるようになる。

 「オフィスのなかにいても,地球の裏側にいても,コーヒーを買うのと同じくらい簡単に印刷を行えるようにする。それがHP社の務めだ」(HP社Imaging and Printingグループ担当上級副社長のGeorge Mulhern氏)

 HP Mobile Printing Driverは,HP社のPostScriptエミュレーション対応レーザー・プリンタの全機種に対応しており,一般的なプリンタ・コマンドを受け付ける。印刷を行うには,「HP Mobile Printing Driver」を選択して,プリンタのIPアドレスまたはネットワーク識別子を入力するだけでよいという。

 同ドライバは,無料でHP社のWebサイトから入手できる。

 またHP社は同日,IEEE 802.11b対応無線プリント・サーバー「HP Jetdirect 380x」および「HP Jetdirect 680n」,Fast Ethernet対応プリント・サーバー「HP Jetdirect 615n」を発売した。いずれも米国とカナダですでに購入可能となっている。

 各製品の特徴は以下の通り。

・HP Jetdirect 380x:外付け型の無線プリント・サーバーでIEEE 802.11bに対応する。複数のUSBポートを備える。米国における予想小売価格は329ドル。

・HP Jetdirect 680n:内蔵型の無線プリント・サーバーでIEEE 802.11bに対応する。プリンタの拡張I/Oポートに接続する。米国における予想小売価格は499ドル。

・HP Jetdirect 615n:内蔵型のプリント・サーバーでFast Ethernet(100Mbps)に対応する。プリンタの拡張I/Oポートに接続する。「HP社製プリント・サーバーのなかで最高の性能を持ち,従来製品の2倍高速」(HP社)。米国における予想小売価格は319ドル。

 なお,HP Jetdirect 380xと同680nは,「業界で初めてIEEE 802.1xに対応することで,無線通信時に高度な安全性を確保できる」(HP社)という。IEEE 802.1xは,ユーザー認証の仕組みを定めたセキュリティ規格で,動的に暗号化に対応している。

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