米Frost & Sullivanが米国時間5月13日に,ケーブル・モデムの世界市場に関する調査結果を発表した。2001年におけるケーブル・モデムとCMTS(Cable Modem Termination System)の売上高は,前年比28%増の16億1000万ドルだった。今後も安定した成長をみせ,ピークを迎える2004年には25億ドル規模に達するという。

 機器ベンダーが,ケーブル・モデムを利用した制御および監視,生産性向上,エンタテインメントなど,新たな用途に目を向けたため,広帯域接続とケーブル・モデム機器に対する需要が急増している。

 またFrost & Sullivan社によると,2005年にはケーブル・モデムとCMTSの立場が大きく変わるという。「売上高でみた場合,現在はケーブル・モデムが市場の大部分を占めている。しかし2005年には,CMTSが売上高の大半を創出するようになる」(Frost & Sullivan社,リサーチ・アナリストのJean-Christophe Deverines氏)

 地域別にみた場合,北米が売上高とエンド・ユーザー数で群を抜いている。短期的には北米市場を中心にケーブル・モデム産業は成長するが,欧州,アジア太平洋地域,中南米も着実に成長の足場を築く見通しだ。

 業界では,世界的に企業の整理統合が進んでいる。「北米で始まったケーブル事業者の整理統合が欧州まで広がっている。企業の合併により,ネットワークの大幅なアップグレードが実現する」(同氏)

 市場の整理統合が進む一方で,ケーブル・モデム機器市場は関連産業の企業や東アジア地域の国などに,市場参入のまたとない機会を提供している。Deverines氏は「消費者家電分野で経験のあるメーカーが,従来のケーブル・モデム機器メーカーにとって国内および世界市場のいずれでも手強い相手となるだろう」と予測した。

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