米IDCが米国時間5月8日,「2002年は世界におけるスマート・ハンドヘルド・デバイス(SHD)の出荷台数が13%以上増加する」との予測分析を発表した。2001年の出荷台数は1460万台だったが,これが年平均17%で増加し,2006年には3160万台に達する見通しである。

 この1年は厳しい経済状況が続いたほか,セキュリティに関する懸念の増加など,SHD市場を取り巻く状況は厳しかった。しかし2002年は,上向きつつある景気,無線技術の革新,新しいデバイス技術の出現,企業によるデバイス導入の増加,ペン・ツール式ハンドヘルドの登場といった要因によって市場が再び活力を取り戻し,データ型デバイス分野において出荷台数が伸びると予測する。

 またIDCは,市場の展望を楽観視する理由として,統合型デバイスの台頭を挙げている。同社Smart Handheld Devices Research Service部門プログラム・マネージャのKevin Burden氏は,「統合型デバイスはハンドヘルド・デバイス市場に新たな革新を引き起こすだろう。この新しいデバイスは,携帯電話のテレフォニ機能とハンドヘルド・デバイスのデータ機能を統合することで,二つの産業が交差する分野に新たな市場を見出すことになる。2002年以降,モバイル分野で最も注目を浴びるはずだ」と説明した。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・世界におけるペン・ツール式ハンドヘルド・デバイスの出荷台数は,2002年に1450万台に達する。

・統合型ハンドヘルド・デバイスの世界における出荷台数は,2002年の350万台から2006年には約6300万台へと急増する。

・2002年の1~3月期において既に,SHD市場は前年同期より大幅に伸びる足場を築いている。

・キーパッド搭載の折り畳み式ハンドヘルド・デバイスはデータ型という特性から,無線分野で市場機会をつかむ可能性がある。

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