米Microsoftが米国時間5月7日に,.NET向け音声ソフト開発キット「.NET Speech Software Development Kit(SDK)1.0」のベータ版をリリースしたことを明らかにした。音声処理向け拡張タグ「Speech Application Language Tags(SALT)」仕様をベースにした「業界で初めての製品」(Microsoft社)という。

 SALTは,HTML,xHTML,XMLといった既存のマークアップ言語を拡張するもの。これらのマークアップ言語に対応するアプリケーションやWebサービスで,“マルチモーダル”環境を実現させる,という。

 マルチモーダルとは,複数のユーザー・インタフェースを備えること。音声による入力や,キーボード,キーパッド,マウス,スタイラス・ペンなどを使った入力が同時に行えることであり,出力では合成音声やオーディオ(録音済みファイル)の再生に加え,テキスト,動画,画像などの画面による視覚的表示の両方に対応する。ユーザーは,パソコンや電話機,Tablet PC,無線対応のPDAなど様々な機器を使って複数の入力/出力方法を選べるようになり,また同時利用することも可能になる。

 SALT仕様は国際的標準化団体から2002年半ばにリリースされる予定である。

 .NET Speech SDKは開発環境「Visual Studio .NET」と組み合わせることにより,WWWアプリケーションに音声機能を容易に組み込むことができる。音声と視覚機能を組み合わせたWWWアプリケーションを一つのコードで記述できるため,アプリケーションの管理や変更,テストを容易に行える。文法やプロンプト,サンプル・アプリケーション,チュートリアルのデバッグと作成に向けたツールが付属する。SALTベースの「ASP.NET」用コントロールも含まれる。

 .NET Speech SDKは今週中に出荷を開始する。「Internet Explorer」ブラウザ向けの音声拡張機能,Microsoft社の新たな音声認識エンジンのデスクトップ版,テキスト読み上げエンジン「Text-to-Speech(TTS)」のテスト版が付属する。

◎関連記事
シスコ,MS,インテルが揃い踏み,音声タグの標準化団体「SALT Forum」を発足
米マイクロソフトが.NET向け開発ツールを発表,米アカマイとの共同開発も
米マイクロソフトが2億ドル超規模の「.NET」宣伝キャンペーンを世界10カ国で同時展開
米マイクロソフトがWebサービス開発環境「Visual Studio .NET」「.NET Framework」を発表
米マイクロソフトと米スピーチワークス,音声対応Webアプリ/サービスの開発支援で提携

[発表資料へ]