「IP-VPNの実装が進み,2006年までに世界のIP-VPN機器市場は47億ドル規模に成長する」。米GartnerのDataquestが英国時間5月7日にIP-VPNに関する調査結果を発表した。2002年は,同市場が前年の20億5000万ドルから45.7%増の30億ドル弱に成長すると予測している。

 同社は,通信事業者が提供するIP-VPNソリューションの市場には大きな可能性があり重要性を増すとしている。

 「中小企業のほとんどは,セットアップ,サポート,管理の問題に直面することなくIP-VPNの恩恵を受けたいと望んでいる。多くの企業は,週7日24時間体制で地理的に分散したVPNのサポートと管理を行うための十分な知識がない」(同社アナリストのCaroline Jones氏)

 同社は,従来のリース線,フレーム・リレー,非同期転送モードによるWANアクセスと比べて,企業の国際的なコミュニケーションのベースとしてインターネットを使うことに経済的なメリットは大きいとしている。装置のアップグレード,技術進歩などを考慮した場合,必要な装置をサービス・プロバイダが購入して所有している場合の方が費用節減の率は大きいという。

 また,大規模企業は,IP-VPNソリューションをミッション・クリティカルな領域に拡張しているが,インハウスでの監視が複雑になるため,これがサービス・プロバイダにとって好機になるとみている。

 また,「すべての地域において,IP-VPN導入の際にセキュリティが重要な問題となっている。サービス・プロバイダは,一つの地域向けのセキュリティ・ソリューションが世界的に通用するものではないことを覚えておかなければならない」(同氏)としている。

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