米InfoTechが米国時間5月7日に,米国における無線LAN市場に関する予測分析を発表した。それによると,企業を対象とした無線LAN市場は2001年の1億3800万ドル規模から,2006年には5億4800万ドル規模へと急拡大する見通しである。

 無線LANを介したVoIP(voice-over Internet protocol)とLicensed Macroが市場を牽引する。なお新しい企業ユーザーのうち,Licensed Macroを利用するユーザーの割合は2001年の68%から2006年には94%に達する見通しである。

 InfoTech社無線担当上級アナリストのShelly Radler氏は「2001年は,無線LANを使った音声通信分野の売上高が横ばいだったが,今後5年間で急成長する。それと平行して,無線LANによるVoIP機能を組み込んださまざまな製品やサービスを提供するベンダーが市場に現れる。今後2年間は,システムの容量や機能性などの面で製品の改善が進み,802.11eが承認されればQoS(Quality of Service)が大幅に強化される」と予測する。

 また同氏によると,無線LANを用いた音声通信機器市場はさまざまな業界へと拡大するという。「ベンダーは現在,小売,教育,ヘルスケアなどの垂直市場をターゲットにしているが,さまざまな業界で関心が高まっている」(同氏)

 2001年は,PBX/Keyシステムの機能を携帯電話でも利用できるようにするLicensed Macro分野の成長が著しかった。多数の新製品が登場し,新規ユーザーの数が増加した。Licensed Macro製品はモバイル社員を抱えた企業にとって,とりわけ利用価値が高く,セルラー/PCS/ESMR無線サービスの普及も同製品の需要拡大に貢献した。

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