無線LANのホットスポット・サービスを手がける大手5社と,無線LAN機器/ソフトウエア・ベンダー大手5社が集まり,ホットスポット・サービスのローミングを推進する業界団体「Pass-One」を設立した。

 設立メンバーは,ホットスポット・サービス事業者の,米Wayport,スウェーデンTele2,フィンランドWificom,カナダFatport,Open Point Networks社と,無線LAN機器/ソフトウエア・ベンダーの,米Symbol Technologies,米Nomadix,米Funk Software,スウェーデンService Factory,米TSI Telecommunication Services。

 「ホットスポットのネットワークを拡大するための最も経済的な方法は,ローミング・サービスである。しかしこれにはサービス・レベルや認証技術を業界全体で統一する必要があり,これが,ローミングの最大の障壁となっている。これを解決するため,我々は中心的な役割を担う団体を設立した」(Pass-One設立メンバー10社)

 Pass-Oneでは,各種の技術基準を定めるほか,参加するホットスポット事業者に対し,“統合した管理サービス”を提供していくという。
 
 具体的な活動の内容には,(1)世界共通のエンド・ユーザー・エクスペリエンスを作成すること,(2)実装する標準仕様を最小限に抑え,参加メンバーのネットワーク間における相互運用性を保証すること,(3)参加メンバーを“高品質サービスを提供できる広帯域無線サービス事業者”にすべく,支援していくこと,などがある。

 また,サービス基準を満たした事業者には,「Pass-One」の認定マークを付与し,これによりエンド・ユーザーの認知度を高めていくという。

 なお設立メンバーは現在,Pass-Oneの枠組みを策定中である。最初の会議を6月14日にボストンで開催する予定である。「会場ではもちろん無線LANのローミング・サービスが利用できる」(10社)という。

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