米MIPS Technologiesが,64ビット・マイクロ・プロセサ用アーキテクチャ「MIPS64 Instruction Set Architecture(ISA)」のライセンスを,米Advanced Micro Devices(AMD)に供与した。両社が米国時間4月29日に明らかにしたもの。これによりAMD社は,MIPS社の「MIPS32」アーキテクチャ・ベースの現行プロセサ製品系列にMIPS64アーキテクチャを実装し,64ビット・プロセサの開発を進める。

 プロセサの開発は,AMD社のPersonal Connectivity Solutions(PCS)グループが担当する。同グループは,AMD社が2月に発表した米Alchemy Semiconductorの買収に合わせて設立した部門である。MIPSアーキテクチャ・ベースの高性能/低消費電力マイクロ・プロセサの設計を手がけるAlchemy社の設計チームが,PCSグループに協力して開発を進めるという。

 なおMIPS社は,32ビット・プロセサ向けアーキテクチャ「MIPS32 ISA」のライセンスを引き続きAMD社に供与していく。

 「64ビットの組み込み用プロセサへの動きは強まっている。この9カ月だけで,当社のライセンス合意の半分近くが64ビット・アーキテクチャやコアに関するものだった」(MIPS社会長兼CEOのJohn Bourgoin氏)

 MIPS64 ISAでは,64ビット・プロセサ上でバイナリ形式のまま32ビット/64ビット・コードを実行できるので,コードを再コンパイルする必要がない。このため,「システム設計者は,大量に存在する32ビットと64ビットのMIPS用コードのなかから使用するコードを選ぶことが可能で,次世代の64ビット製品の開発を加速できる」(AMD社)

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