米Microsoftが米国時間4月30日に,Windows向けシステム管理サーバーの次期バージョン「Systems Management Server(SMS)2003」について明らかにした。開発コード名を「Topaz」としていたもので,今夏にベータ版をリリースする予定である。

 SMS 2003では,「Windows 2000」や「Windows XP」が動作するノート・パソコンをはじめ,「Windows CE」「Windows-Powered Pocket PC」「Windows XP Embedded」を搭載した非パソコン機器などのモバイル装置に対応する。非パソコン機器へのサポート機能は,SMS 2003をリリースしたのち数カ月で利用可能にする。これにより,PDAやPOS装置,Windows搭載端末のソフトウエアの管理および配布が可能。

 Microsoft社によると,一般的な企業環境ではモバイル・ユーザーおよびリモート・ユーザーが最大30%を占めるという。「非パソコン機器にも対応するSMS 2003を利用することにより,企業はデスクトップ・パソコンのほか,モバイルやリモートのユーザーもすべてソフトウエア配信および資産管理ソリューションの対象に含めることができる」(Microsoft社)

 SMS 2003の主な特徴は以下の通り。

・HTTP標準規格と「Windows Update」技術をベースにした「Background Intelligent Transfer Services(BITS)」機能により,1カ月当たり6000万件のダウンロードに対応する。

・モバイル・ユーザーの位置を認識し,最も近いソースからソフトウエアを配布する。このため,WANへの影響が低減される。

・モバイル装置とデスクトップ・パソコンを一緒に表示するユーザー・インタフェースにより,ネットワーク管理者は資産管理やソフトウエア配信を容易に行うことができる。

 SMS 2003はディレクトリ・サービス「Windows 2000 Active Directory」と密な連携が施されているため,SMS 2003からActive Directoryの既存組織構造やセキュリティ・グループを利用することができる。SMSの機能を事業部門ごとに対応させたり,Active Directoryのアーキテクチャと組み合わせることが可能。なお,SMS 2003はActive Directoryを導入していない環境でも動作する。

 また,企業全体におけるアプリケーション利用を追跡し,「より効果的なアプリケーションおよびOSのアップグレード計画と予算配分を可能にする」(Microsoft社)。そのほか,WWW対応のレポート機能も備える。

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