英Symbianが現地時間4月23日に,Symbian OSのソース・コードを公開するプログラム「Symbian Platinum Program」について明らかにした。ハードウエア・メーカーやソフトウエア・ベンダーに向けるもので,既に携帯電話メーカー各社にソースコードのアクセス権を提供しているという。

 同プログラムの参加企業は,95%以上のSymbian OSのソース・コードにアクセスできるようになり,同OS専用のハードウエアおよびソフトウエア・ソリューションの開発が可能になる。

 「Symbian OSのソース・コードを開発者や携帯電話メーカーに公開することで,モバイル・データ・サービスの大衆市場にさらなる勢いをつける」(Symbian社Partnering Evangelism and Research部門執行副社長のDavid Wood氏)

 Symbian社は,同プログラムの参加企業と参加を表明している企業を発表した。これには,株式会社アクセス,米AppForge,英ARM,フィンランドのFathammer,米Intel,英Intuwave,米Motorolaの半導体製品部門,米M-Systems,インドのPace Soft Silicon,英Picsel Technologies,英Superscape,伊/仏合弁のSTMicroelectronics,米Synovial,米TapRoot Systems,米TestQuest,米Texas Instruments,横河電機の100%子会社YDCなどがある。

 Symbian社は参加企業に向けて,ソース・コード,テスト・コード,関連資料,カーネル,機器ドライバ向けプログラミング・インタフェース,ROM構築ツールなどを含む「Symbian OS Development Kit」を提供する。このほか技術サポートや共同マーケティングの機会も提供するという。

 Symbian Platinum Programは,提携企業の種類に応じて,以下のカテゴリに分かれている。

・「Symbian Technology Partners」:Symbian OSに対応する技術を,Symbian OSのライセンシ,ソフトウエア開発者,ネットワーク事業者,インテグレータなどの企業に向ける。組み込み技術,コンテンツ,アプリケーション,サービス,企業向け技術などに関連したソリューションを提供する企業が対象。

・「Symbian Connectivity Partners」:PIM接続ソリューションを開発するパートナ企業向け。

・「Symbian Tools Partners」ソフトウエア開発ツールとハードウエア参照プラットフォームを提供する企業に向ける。

・「Symbian Development Partners」:Symbian社のソフトウエア設計チームと緊密に連携してSymbian OSコンポーネントを開発する企業に向ける。

・「Symbian Semiconductor Partners」:ARM社のアーキテクチャをベースとした携帯電話機のメーカーに半導体ソリューションを提供する企業を対象とする。

・「Symbian Development Partners」:市場投入期間を短縮するためのソフトウエアを開発したり,各種技術をSymbian OSに統合するためのノウハウを持つ企業が対象。

・「Symbian Training Partners」:Symbian OSのトレーニング・サービスを提供する企業やグループに向ける。

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