米IBMと仏MAK-System International Groupは,献血された血液の供給プロセスにe-business技術を用いることを目的とした戦略的提携を結んだ。両社が現地時間4月22日に発表した。

 両社は,e-business技術の適用により血液管理コンセプトの強化が可能になるとしている。また献血された血液と血液製剤の収集,処理,配布,トラッキングを含め,血液銀行と輸血活動を通じて,ドナーから輸血者までの血液の安全性とトレース機能を提供するという。

 提携のもと,MAK-System社の「Progesa」と「Trace Line」ソフトウエア・スイートをIBM社のサーバーとe-businessインフラに統合させる。MAK-System社は,IBMのe-businessフレームワークを同社のソフトウエア開発戦略の一部として取り入れWebSphereアプリケーション・サーバー,DB2データベース・ソフトウエア,eServer pシリーズを統合する。

 統合された製品により,異なる国,州,都市の血液銀行と銀行をネットワーク化し,インターネットを使って広い地域での血液供給の需要と供給をより正確に管理することができるようになる。

 毎年,全世界で数百万リットルの血液が採取されている。血液は,異なるタイプや血液副産物があるとともにデリケートなものであるため,収集工程が複雑である。テスティング,在庫管理,適時の輸送,継続的な補充など安全性の維持の必要性が重視される。米赤十字によれば,緊急事態に備えて十分な在庫を保持するために,最低でも1日に2万5000人の献血者が必要だという。

 MAK-System社は,血液銀行と血液輸送向けのソフトウエア開発のリーダーであり,米国を含む世界21カ国で同社のソフトウエアが使用されている。

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