米Cisco Systemsが米国時間4月17日に,「Cisco Aironet 1200 Series Access Point(AP)」と5GHz帯を使ったIEEE 802.11a用無線モジュールを発表した。Cisco Aironet 1200 Series APは2種類の無線通信を同時に使用できる。そのため,「Wi-Fi(IEEE 802.11b)で構築した無線LAN(WLAN)に対する投資を無駄にすることなく,Wi-Fi5(IEEE 802.11a)やIEEE 802.11gに移行可能」(Cisco社)となる。

 Cisco Aironet 1200 Series APはモジュラ・デザインを採用しており,2.4GHz帯および5GHz帯の両方を利用できる。さらに,ユーザーの状況に応じ,使用現場で運用周波数帯を変更するなどのアップグレードが可能。標準仕様ではIEEE 802.11b用無線モジュールを内蔵し,IEEE 802.11a用無線モジュールに使う追加スロットを備える。無線モジュールは工場出荷時に内蔵させることも,増設オプションとして購入することもできる。この無線モジュールは,将来IEEE 802.11gなどの無線技術にアップグレードすることも可能という。

 プロセサには動作周波数200MHzのPower PCを採用し,2つの54Mbpsの無線通信と1つの10/100 Ethernetに同時対応する。

 Cisco Aironet 1200 Series APのそのほかの特徴は以下の通り。

・強力なセキュリティ:「Cisco Wireless Security Suite」により,企業で必要とされるレベルのセキュリティを確保し,容易な集中管理を可能とする

・企業クラスの管理性:「CiscoWorks」と米WaveLinkの「Mobile Manager」「Avalanche」により,無線ネットワークと無線対応機器の包括的な管理を可能とする

・導入時の柔軟性:Ethernet経由のライン・パワーおよび通常の電源に対応することで,導入時のコストと手間を削減できるという。また複数の2.4GHz帯用アンテナにより,電波の到達範囲を最適化できる。柔軟性のあるマウント・システムにより,さまざまな状況で迅速かつ容易な導入が可能

・堅牢性:丈夫な金属製きょう体と広い稼動温度範囲により,長期間の運用が可能。工場や倉庫など過酷な環境に導入可能なように設計してある

 またCisco社は,見込み顧客やソリューション・プロバイダがCisco社製品を使ったWLANアプリケーションを試用できる「Wireless Integrated Network Solutions(WINS)Lab」について明らかにした。ソリューション・プロバイダは,Cisco社やWINS参加企業などから,技術/業務/マーケティング/販売のサポートを受けられる

 IEEE 802.11b対応のCisco Aironet 1200 Series APの米国における価格は999ドル。IEEE 802.11bとIEEE 802.11aの両周波数帯に対応した製品は1499ドル。またIEEE 802.11a用無線モジュールは229ドル。出荷開始時期は,IEEE 802.11b用のCisco Aironet 1200 Series APが2002年4月,両周波数に対応したCisco Aironet 1200 Series APとIEEE 802.11a用無線モジュールが2002年8月を予定する

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