「従来のフィルム・ベースの銀塩カメラにおける高い顧客満足をベンチマークとして,使い易い消費者向けデジタル製品を開発すべきである」。米Eastman Kodak社が,米国時間4月17日に米ニューヨークで開催された米国の写真機材製造・卸売業者協会PMDA(Photoimaging Manufacturers & Distributors Association)の月例集会で,同業者に向けてスピーチを行った。

 「デジタル写真の成功と大衆市場での受け入れは,フィルム写真によるメリットと戦わずして達成することはできない。われわれの成功は,フィルムに関して顧客から学んだ教訓に従って提供と経験に業界が頂点を当てることにかかっている」(同社Digital & Applied Imaging事業部門の副社長のNancy Carr氏)。

 同氏は,デジタル部門の成功は,フィルム写真の容易さと信頼性を製造業者と小売事業者がどのように反映できるかに直接関わってくると説明するとともに,「新製品の開発において,業界内で解像度とメガ・ピクセルに関して争うのをやめ,デジタル写真を取り巻く環境で顧客のニーズに対応するソリューションの開発に注力する」ように求めた。

 現在,フィルム写真における顧客の満足度は世界で90%,米国で96%となっている。デジタル・カメラ市場で販売が急成長しているが,デジタル・カメラの所有者の80%以上が写真の半分は銀塩カメラで撮っているという。ユーザーは,デジタル・カメラに関して全体的に満足しているものの,満足度のレベルは66%だけだと報告している。

 「銀塩カメラは,顧客のベンチマークであり,業界のデジタル写真発展のための標準である。使いやすさに焦点を当てれば,より多くのユーザーがデジタル写真のメリットを楽しむことができる」(同氏)。

 たとえば,年間300億のデジタル写真が撮られているが,プリントされるのは20%未満である。これは顧客が経験する問題とともに業界への好機を例示している。顧客のニーズへの対応とデジタル写真成長への資金投入を中心にすることにより,イメージング業界は,顧客のデジタル写真の撮影,共有,プリントを促して新しい成長機会を生むことができるという。

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