「世界のDSL加入者数のうち,アジア太平洋地域のユーザーが約44%を占めている」。通信機器市場に関する調査コンサルティングを行う米RHKが米国時間4月16日に,「Broadband Goes Abroad: Asia Leads the World」と題してまとめた調査結果を発表した。

 2001年末におけるアジア太平洋地域のDSL加入者数は750万人を超えており,そのうち400万人は韓国のユーザーである。RHK社は中国,日本,韓国などの諸国が通信インフラの整備に注力していることから,同地域が今後も世界をリードするとみる。

 「わずか3年前には,アジアのサービス・プロバイダが北米を訪れ,DSLの導入方法や提供サービスを学ぼうとしていた。しかし今や状況は一変し,同地域は世界のDSL加入者数の約44%を占めるまでに成長した」(RHK社,Broadband Access Networks Global担当ディレクタのKen Twist氏)

 RHK社によると,2002年におけるアジア太平洋地域の成長を牽引するのは韓国。日本と台湾は韓国に次いで有望だ。日本では,プロバイダ間の競合,安価な定額インターネット接続料金,インターネット・ユーザーの急増などが,ブロードバンド接続の普及を後押しする。

 またKen Twist氏は「これまでは,北米や欧州で地位を確立しているDSL機器ベンダーが,アジア太平洋地域の新興市場に参入するのはさほど難しくなかった。しかしDSL市場が成熟し,製品やサービスがコモディティ(日用品)化すると,ローカル・ベンダーによるサポートの提供と低価格が消費者をつかむカギとなる」と指摘した。

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