米Network Associatesの子会社McAfeeのオンライン事業部門McAfee.comが米国時間4月16日に,次世代のオンライン・セキュリティ・サービス「Grid Security Services」(開発コード名「Project M2」)の内容を明らかにした。

 インターネット・ベースの分散コンピューティング技術とXMLベースのWWWセキュリティ・サービスを組み合わせる。

 Grid Security Servicesでは,インターネット全体に数百万のセンサーを備えたグリッド(格子)を張りめぐらす。セキュリティを脅かすウイルスなどを継続的に防止および分析し,Webサービスのフレームワークを通じて中枢ハブに報告する。ハブはそのデータを処理してリアルタイムの警告を発し,グリッド上の他のシステムに予防策を施す。セキュリティ・データは「SecurityCenter」を利用しているユーザーなら誰でも利用できる。

 SecurityCenterはGrid Security Servicesの主要コンポーネントの一つで,McAfee.com社アプリケーションへのアクセスや,セキュリティ状況の閲覧を一元的に行えるようにする。ネットワークで収集され,共有されている情報をもとに,セキュリティへの脅威やウイルスの発生,セキュリティ・ホールなどをリアルタイムで通知する。McAfee.com社のWWWサイトから無償でダウンロード可能。

 Grid Security Servicesを構成する主な要素は以下の通り。

・グリッド核(Nucleus):一連のセキュリティ・サーバーから成る。グリッド上のセキュリティ状況を追跡し,情報を収集する。

・センサーとプロテクタ:プロテクタはアンチウイルス,個人向けファイアウオール,侵入防止,スパム・メールのフィルタリング,個人情報保護といった機能を提供するWebサービス。センサーはプロテクタの拡張機能で,セキュリティのトラブルを検知し,報告する。

・言語:XMLベースのスキーマを用い,グリッド上のノードとグリッド核とのやりとりを可能にする。

・グリッド・ネットワーク:ユーザーがグリッド核とのやりとりを許可したノードをつなげて構築する。

・警告:グリッド内外で発生したセキュリティのトラブルについて警告する。

・アップデート:McAfee.com社がXMLベースの管理サービスを提供する。

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