米Adobe Systems社が米国時間4月15日に,カナダのAccelio社買収手続きが完了したことを発表した。同社は,Accelio社の電子文書を使った業務プロセス管理を支援するWeb対応ソリューション技術により,「ePaper」ソリューション事業の拡大を図るという。

 買収は,Adobe社の普通株式をAccelio社の全株式と交換することで行った。Accelio社の普通株式1株につき交換比率0.072573でAdobe社の普通株式に交換した。Adobe社は不足分を補充するために,およそ181万株を発行している。またAccelio社は,およそ130万ドルですべてのストック・オプションを買い戻している。

 「同社の買収は,『Acrobat』事業の拡張につながる。『Acrobat』とPDF技術を同社のサーバー・ベースのソリューションと組み合わせることにより,わが社は企業ユーザー,政府機関,教育機関に向けて『Acrobat』ソリュ-ションを拡張できる」(Adobe社のCEOのBruce Chizen氏)

 同社はAccelio社買収により,2002会計年度の売上高を,買収により3000万ドルから3500万ドル程度増加させる目標を立てている。一時的な費用を除いた希薄化後の1株当り利益を,約2セントと見積もる。また,同社の「ePaper」と電子文書に関する事業は,2004年までに30億ドル規模に成長すると予測している。

 Accelio社の事業は完全にAdobe社に統合される。事業統合に伴い,同社は販売,一般職,管理職の余剰人員をおよそ200名削減する予定。

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