「米国で家庭内ネットワークの人気が高まるにつれ,ユーザー層の幅も広がりつつある」――。調査会社の米In-Stat/MDRが米国時間4月10日に,家庭内ネットワークの普及および利用状況について調査した結果を発表した。

 これまでは,家庭内ネットワークを導入するのは,コンピュータ技術に精通したユーザーなどに限られるとみられていた。しかし,「無線ネットワーク機器の売り上げが急増し,ブロードバンド接続を共有するための家庭用ルーターが低価格で出回っている。家庭内ネットワークがより広範なユーザーに利用されつつあることは明らかだ」(In-Stat/MDR社アナリストのJaclynn Bumback氏)

 In-Stat/MDR社は,ユーザーが家庭内ネットワークの利点について啓発されれば,機器を購入するユーザー数はさらに増えると予測する。ベンダー・コミュニティは,インターネットによる家庭の情報化を促進する業界団体「米Internet Home Alliance(IHA)」などを通して,あるいは独自にエンド・ユーザーの啓発に取り組み始めている。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・家庭内ネットワークを導入しているユーザーのうち,主な利用法としてブロードバンド接続の共有を挙げた回答者は42%。米国におけるブロードバンド接続ユーザーは2001年末に約1300万人に達しており,ブロードバンド接続を共有する手頃な価格のデバイスの需要が伸びている。2001年は,米Linksysと米NetGearによるケーブルおよびDSLルーターの出荷台数合計が200万台を超えた。

・家庭内ネットワークを導入するユーザーは,コンピュータを使い慣れた10代後半の子供を持つ45?54才の世帯主が最も多い。これは,米国で家庭内ネットワークを導入している世帯の28%に相当する。

・家庭内ネットワークの導入を計画している回答者のうち,小売り業者から機器を購入する予定のユーザーは41%。小売りチャネルを複数持つLinksys社,NetGear社,台湾のD-Linkなどにとって,大きなビジネス・チャンスとなる。家庭内ネットワーク機器をどこで購入するか決めていないユーザーは37%。小売りチャネルで購入する予定のユーザー以外は,特定の販売チャネルにこだわっていない。

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