米Microsoftが米国時間4月9日に「Microsoft TechEd 2002」の会場で,電子商取引サイト構築用ソフトウエア「Commerce Server 2002」の最新版を発表した。同ソフトウエアは,「.NET Enterprise Server」ファミリの主要製品の一つにあたる。

 「.NETを活用することでCommerce Server 2002は,企業のオンライン業務の機能を拡張/強化する基盤技術を提供し,顧客,パートナ,従業員との関係を深める」(Microsoft社E-Business Servers部門ゼネラル・マネージャのDavid Kiker氏)

 Commerce Server 2002の主な新機能は以下の通り。

・「Visual Studio .NET」の統合:「Commerce Server Developer Portal」で,Visual Studio .NETと統合した一連のツールを提供する。開発者の操作性を最適化し,Commerce Serverアプリケーションの作成に必要なコードの行数を削減する。

・「Commerce Server 2002 .NET Application Framework」:「Application Runtime」「Base Class Library」「Common Language Runtime Interoperability Layer」とともに「ASP.NET」や「.NET Framework」を用い,Commerce Serverアプリケーションの作成を可能にする。

・「Global Online Business」:仮想カタログにより,複数サプライヤのカタログの集約,顧客また地域専用カタログの作成,特定またはカスタム製品の価格の通知といった機能を提供する。なお,複数の言語と通貨に対応する。

・「Microsoft .NET Passport」の統合:Passportのシングル・サインオン機能を「Commerce Server Profiling System」に組み込む方法を示すためのPassportサイトレットを提供する。

 Commerce Server 2002は,「Enterprise Edition」と「Standard Edition」の2種類を用意する。Enterprise Editionは大企業規模の組織に向けた製品で,価格は1CPU当り1万999ドル。使用可能なCPU数に制限はなく,「Windows Datacenter」認証も受けている。Standard Editionは中規模組織向けの製品で,カタログ管理,パーソナル化,制限付き業務分析機能を備える。価格は1CPU当り6999ドルで,使用可能なCPU数は最大2個。Commerce Server 2002の詳細については,Microsoft社のWWWサイトに掲載している。

 なおMicrosft社と同社の認定パートナは,既存の「Site Server」およびCommerce Server顧客に対し,Commerce Server 2002と.NETへのアップグレード・プログラムを用意する。同プログラムの詳細については,同社のWWWサイトに掲載している。

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