米IDCは米国時間4月10日,無線LAN市場について調査した結果を発表した。それによると,2001年の全世界における無線LAN製品の売上高は,前年比34.2%増の14億5000万ドルに達した。2006年には2.6倍の37億2000万ドルまで拡大する勢いだという。

 ユーザーは,無線LAN技術の登場と普及により,何十年も利用してきた有線ネットワークから離れつつある。無線LANは,携帯電話機が従来の音声ネットワークに大きな影響を及ぼしたように,今後のネットワーク機器に多大な影響を与える見通しだ。

 「無線LAN関連の機器やアーキテクチャが,企業内はもちろん,それ以外の分野でも受け入れられつつあり,無線接続の普及に貢献している。主にLANスイッチ,ルーター,IP-VPNなど,データ・ネットワーキング用の機器販売を専門に行っているベンダーは,今後,無線LANをネットワーキング戦略の一部として提供するようになる。しかし普及の最も大きな原動力となるのは,アジア太平洋地域のベンダーが世界規模で注力している,SOHOや家庭内ネットワーキングの分野になるだろう」(IDC,Enterprise Networks部門リサーチ・アナリストのJason Smolek氏)

 IDCは無線LANの普及を促している要素として,1)教育や小売りなど,新たな垂直市場での導入,2)空港やホテルなど,公共の場における導入,3)SOHOおよび家庭内ネットワーキングでの導入,4)5GHz製品(802.11aやHiperLAN/2規格)の登場,を挙げている。

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