米Polycomが米国時間4月9日に,同社製品でSIP(Session Initiation Protocol)をサポートすることを明らかにした。対象となる製品は音声会議電話「SoundPoint IP 500」と「SoundStation IP 3000」。

 SIPはインターネット技術の標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)が策定した標準仕様。IPネットワークに音声やビデオ,データなどをのせ,マルチメディア通信や端末間の通信制御を可能にするプロトコルである。

 SoundPoint IP 500は卓上会議電話で,SIPのほか,IETF MGCP V1,ITU H.323 V3,Cisco SCCPといったプロトコルやプラットフォームに対応する。SoundStation IP 3000は音声会議システム「SoundStation」ファミリの一部で,SIP以外にITU H.323 V2をサポートする。Polycom社は4月11日までワシントン州シアトルで開催されている展示会「Voice On The Net(VON)」で,SIP対応電話機のデモを行う予定である。

 米Frost & Sullivan,VOP装置プログラム担当者のJon Arnold氏は,「SIPに対応することにより,ユーザーは既存の音声通信用のデータ・インフラを利用しつつ,インスタント・メッセージングといったプレゼンス・ベースのアプリケーションを導入できる」と説明する。「企業やサービス・プロバイダにSIPがもたらす可能性は膨大だ。Polycom社をはじめ,米Cisco Systems,米Microsoft,米WorldCom,フィンランドのNokiaといった主要企業によるSIP対応の動きが普及に弾みをつける」(同氏)

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