米GartnerのDataquestが米国時間4月8日,「北米のパブリック・イーサネット・サービス市場は今後数年間で急成長を遂げ,2002年の市場規模は10億ドル以上,2005年には40億ドル以上に達するだろう」などとする調査結果を発表した。

 パブリック・イーサネットとは,通信事業者が提供するレイヤー2(L2)ベースのネットワーク全般を指し,TLS(Transparent LAN Service),ネイティブLAN,イーサネット,ギガビット・イーサネット,都市型イーサネットなどがある。

 「パブリック・イーサネットは安価で管理も簡単なため,人気が高まっている。イーサネットはLAN環境で最も普及している技術であり,企業ユーザーも慣れ親しんでいる。通信事業者によるパブリック・イーサネット・サービスは,大企業が使い慣れているイーサネット技術を使って,LANをより広範な都市圏部へと拡大したものだ。今後は長距離ネットワークでの使用もますます増えるだろう」(Dataquest社Worldwide Public Network Serviceプログラム担当上級アナリストのSteve Koppman氏)

 当初は小規模なプロバイダが,さまざまな新種のギガビット・イーサネット・サービスを提供していたが,なかには既に倒産に追い込まれた企業もある。一方,大手通信事業者は,競合社と対抗するためにパブリック・イーサネット・サービスを導入した。Dataquest社はパブリック・イーサネットが最終的には,大手通信事業者によって広まるとみる。

 またKoppman氏の予測によると,光ファイバの接続における制限がサービスの可用性を抑えてしまうため,最初は市場の成長が潜在的需要を下回るという。しかし2005年には状況が改善される見通しだ。「パブリック・イーサネットをより広範に提供したり,“最後の1マイル”の回線を共有するために,通信事業者同士の提携が進むだろう」(同氏)

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