米Adobe Systemsは「FrameMaker 7.0」を米国時間4月8日,発表した。FrameMakerは複数チャネルでの配信を想定した大容量のドキュメントを作成および出版するためのソフトウエアである。

 バージョン7.0は,XMLに対応する。「印刷,Web公開,PDAでの閲覧といった各種チャネルに向けて情報を配信するネットワーク・パブリッシングのための,包括的なプラットフォームを提供する」(Adobe社)

 ユーザーはFrameMaker 7.0を使って,XML対応のコンテンツをWYSIWYG(What You See Is What You Get)モードで作成,編集,取り込むことが可能。XMLに対応したコンテンツは,企業全体で検索,共有,再利用し,異なるシステムやプロセスに用いることができる。XMLに馴染みのないユーザー向けに,各種のテンプレートを用意する。

 Quadralay社の「WebWorks Publisher Standard Edition 7.0」が付属しており,HTML形式をはじめ,「Palm Reader」などのハンドヘルド機器向けフォーマットの書き出しが可能。また,SVG(Scalable Vector Graphics)対応により,Web公開用の質の高いベクトル画像を組み合わせることができる。共同作業やコンテンツ共有を効率的に行うための「WebDav(World Wide Web Distributed Authoring and Versioning)」,メタデータをやりとりするための共通手法を提供するAdobe社の「XMP(Extensible Metadata Platform)」もサポートしている。

 FrameMaker 7.0は,XMLで記述した文書をPDFや印刷向けに書き出すことが可能。タグ付きPDFファイルに出力するため,PDAで閲覧できるほか,視覚障害者が利用するテキスト読み上げソフトウエアにも対応する。

 またAdobe社は,サーバー・ソフトウエア「FrameMaker Server 7.0」も同日発表した。データベースや文書管理システム,XMLリポジトリに格納されている既存のコンテンツを抽出し,FrameMakerで扱えるようにする。

 FrameMaker 7.0とFrameMaker Server 7.0は,2002年第2四半期に米国,欧州,カナダで出荷を開始する。価格はFrameMaker 7.0の製品版が799ドル,アップグレード版(Macintosh対応とWindows対応のみ)が379ドル。発売開始後90日間の期間限定で,アップグレード版を209ドルで提供する。FrameMaker Server 7.0の価格は7999ドルである。

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