eCRMソリューションの米Kana社と米BroadVision社が米国時間4月2日に,企業向けにポータル・ベースのeCRMソリューション提供で関係を拡張させることを発表した。

 両社は,企業にすべての情報へのシングル・ポイントのアクセスとともに,ポータル・ベースで顧客と従業員に接するサービスのソリューションを提供する。企業は,「KANA iCARE eCRM」ソリューションにより,コストを最低限に抑えながらユーザーのオンライン・コンピューティングを向上できるという。

 「iCAREスイートとともにBroadVision社のポータルを実装する企業は,コンタクト・センターにおける経費節減により迅速に投資回収できるだけでなく,顧客への高レベルなサービスを提供することで競争力を獲得できる」(BroadVision社の製品マーケティング副社長のBill Zujewski氏)。

 「KANA iCARE」スイートは,増加する顧客とのインタラクションを処理し,コンタクト・センターのコストを削減しながら顧客へのサービスを向上させる包括的なeCRMソリューションである。顧客へのフィードバックを含めたインタラクションを単一のビューで提供することにより,企業による顧客の把握を促進する。

 BroadVision社のポータル・フレームワークは,KANA社の外向けeCRMソリューションに容易に統合できる。そのためBroadVision製品のユーザーは,内向けと外向け両方の顧客サービスを大幅に強化できるという。

 「KANA iCARE」スイートに収録されるアプリケーションは次の通り。
・「KANA Contact Center」
コンタクト・センター向けマルチチャネル顧客サービス・アプリケーション。リクエスト管理,ソリューション・パブリッシング,セルフサービス機能,低価格でサービス提供を可能にするエクストラネットのワークフローを提供する。

・「KANA IQ」
顧客向けセルフサービス・ソリューションとコンタクト・センターのエージェント向け補助サービスのソリューション両方を提供。これは強力なナレッジ・ベースであり,顧客とエージェントの両方が迅速かつ正確に必要な情報を検索できる。過去の経験に基づいて提案するソリューションを調整する,自動化されたラーニング・アルゴリズムを持っている。

・「KANA ResponseIQ」
インテリジェントな電子メール管理のスイート。すべてのコミュニケーション・チャネルからのリクエストの対応に共通のナレッジ・ベースを活用することにより,顧客の問い合わせに対する電子メールの返信管理を向上させる。電子メールの返信は,直接セルフサービス・セッションにリンクできるため顧客は直ちに回答を得ることができる。

・「KANA Response」
大量の電子メールに対応するエージェント補助サービス向け電子メール管理システム。高速かつインテリジェントな自動電子メール,WWW,インスタント・メッセージングのリクエスト管理機能を提供する。企業は顧客のリクエストにより速くまたより正確に対応することで,顧客満足とエージェントの生産性を向上させる。

・ 「KANA Marketing」
マルチチャネルのマーケティングを自動化するソリューション。マーケティング企業に顧客との関係を継続させるためのツールを提供する。セグメンテーション・ツールで分析アプリケーションとデータ・マイニング・アプリケーション内で迅速にリストを作成できる。また1日に何百万通もの外向け電子メールを送信できる。

 ちなみに,米カリフォルニア州のeGovernmentプロジェクトですでに両社製品の組み合わせが採用されており,成功を収めているという。

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