米Palm社が米国時間4月1日に,企業マーケットに向けて無線でデータベースにアクセスするためのソフトウエア「Wireless Database Access Server (WDBAS)」を発表した。同ソフトは,リアルタイムで企業のデータベースにアクセスする無線アプリケーションを作成する開発者とシステム・インテグレータに向けている。同製品は,同年1月に発表された無線電子メール・サービス機能を利用できる新製品「i705」に続き,同社の企業向け戦略の2番目の製品となる。

 WDBASによりソフトウエア開発者は,AppForgeやMetrowerks社のCodeWarriorなどの統合開発環境(IDE)を使って,リモート・ユーザーが企業データに無線でアクセスできるように無線アプリケーションの開発と拡張できる。

 同期またはブラウザを中心とした他製品のアプローチと異なり,開発者は馴染みがあるIDEで,無線向けに最適化されたリアルタイムのデータベースへのアクセスを実現する「スマート・クライアント」アプリケーションを作成できるようになる。

 同期型のアプリケーションでは,データをデバイス上に格納してユーザーが同期したときだけアップデートされる。そのため,ユーザーのデータは常に最新であるとは限らない。またブラウザ型のアプリケーションでは,ユーザーが無線通信可能な場所にいるときだけ最新の情報を得ることができるが,圏外にいるときには機能しない。

 同社のスマート・クライアントのアプローチはこの中間に位置するもので,オフラインの時には以前ストアしたデータにアクセスでき,最新の情報を得るためのリアルタイムのデータ・アクセスが可能となる。またWDBASは,主要な同期製品とも動作してリアル・タイムのデータ・アクセスと同期を組み合わせた混合型スマート・クライアント・アプリケーションも作成できる。

 同製品は,同社初のオープンなハンドヘルド・ソフトウエアであり,「Palm Powered」またはMicrosoft社の「Pocket PC」デバイスで使えるアプリケーションの開発をサポートする。同社は現在,WDBAS開発者向けライセンスをリリースしており,企業版の「WDBAS Enterprise Edition」は同年中にリリースする予定。エンタプライズ版では,高度な機能が追加され,開発ライセンスが必要。

 開発者向け「Wireless Database Access Server」は,次の2つのソースから入手可能になっている。
・Metrowerks社のPalm OS向け「CodeWarrior Enterprise Edition」CDにバンドルされたバージョン。同社サイトから購入可能。
AppForge社サイトからVisual Basicでの利用向けにダウンロードにて入手可能。

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