米InterTrust Technologiesがプライバシ保護を目的とする技術で米国特許を取得した。InterTrust社が米国時間4月1日に明らかにしたもの。監視の要求などプライバシにかかわる問題をフィルタリングすることで,安全に取引を管理できるという。

 「デジタル著作権管理(DRM)など,信頼性のあるコンピュータ処理を実現するための分野において基盤技術になる」(InterTrust社)

 同特許の米国特許番号は6,363,488。タイトルは「Systems and methods for secure transaction management and electronic rights protection」。1999年7月7日に申請し,2002年3月26日に成立した。6件のクレームから成る。

 この技術を使うことでユーザーは,cokkieなどのデジタル・オブジェクトや実行ファイルについて,受け入れるか拒否するかを指定できる。判断基準には,プライバシ・ルールや取引報告情報など,取引処理の一環として集められた情報を利用するという。「消費者や企業などのユーザーは,“プライバシ・ポリシー”を作成し,個人情報や取引報告情報の収集/共有/譲渡をどのような条件下で許可するのかを決定できる」(同社)

 InterTrust社CTOのDavid Maher氏は,「消費者には,どの情報を,誰に,どのような条件で譲渡するかを決定できる仕組みが必要だ」と説明する。「個人情報へのアクセスを“オール・オア・ナッシング”にしては解決にならない。企業とその顧客は,個人情報の譲渡と使用に関し,双方にとって利益になり強制力のある合意を作成する場を持つべきだ」(同氏)

 なお同社は,米Forrester Researchの調査結果を引用している。それによると,インターネットの普及により顧客情報管理の重要性が増大しているが,顧客はそれに対し懸念を抱いたままという。さらに,ネットワークを利用する消費者の60%が,ネットワーク経由で提供した個人情報がどのような扱いを受けるかについて,「極めて心配」と答えている。

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