米Hewlett-Packard(HP)の取締役会が米国時間4月1日に,同社の取締役員の候補者にWalter Hewlett氏が入っていないことを発表した。

 Walter B. Hewlett氏はHP社の共同創業者の1人である故William Hewlett氏の長男であり,HP社の役員も務める人物である。

 同取締役会の決定は,同氏の公正さの欠如,信頼性の問題とともに,同氏が先ごろ同社に対して行った訴訟によって明確となった両者の敵対関係を懸念するため,と説明されている。

 「株式総会の後に同氏と会って再び建設的な関係を築くように試みた。3月27日に役員推薦委員会,取締役員会,同氏を含む独立役員の幹部会議をで引き続き議論を行ったが,これらの会議で同氏が行った討議と説明をもとに,HP取締役員会は満場一致で同氏を役員にノミネートしないことに決定した」(同取締役員会の役員推薦委員会理事のSam Ginn氏)。

 「数時間後に同氏が同社に対して告訴を提起し,引き続き同社役員会と経営陣の誠実性を非難したことに一同ショックを受けている。同氏の行いは,またも信頼の原則に反するものであり,進行中の敵対的関係は,役員会が効率的に指揮する能力を妨げるものになる」(同氏)。

 また,同氏の告訴に対して同取締役員会は,「同社がDeutsche Bankから票を買収した,または不適切に圧力を加えて票を変えさせたという申し立ては誤っている。さらに株主が,合併に関して誤った情報を与えられているという同氏の主張には根拠が無い」とコメントしている。

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