ビデオ圧縮技術を手がける米On2 Technologiesと米Duckは,ビデオ・コーデック「VP3」のライセンス・モデルを変更すると米国時間3月28日,発表した。

 同社は2001年9月より,VP3のソースコードを無償でダウンロード提供しているが,今後はGNU Lesser General Public License(LGPL)のもとでリリースすることにしたという。

 同社では,「この決定は,オープンソースを支持していくという当社の取り組みをさらに押しし進めるもの」と説明している。これにより「VP3技術の普及とその貢献度を増大させていく」(On2社CTOのDan Miller氏)

 なおLGPLとは,GNU General Public License(GPL)の後継となる規約である。「劣等一般公共使用許諾」と訳されている。GPLは米FSF(フリー・ソフトウエア財団)の推進するGNUプロジェクトのために作られた,ソフトウエアのライセンス規約である。

 ビデオ圧縮技術のライセンスを巡っては,MPEG-4のライセンス管理団体「MPEG LA」が提案したMPEG-4 Visualのライセンス・モデルが不当であるとして,米Apple Computerやストリーミング・メディアの業界団体ISMAなどが抗議の声を上げており,業界に波紋を広げている。(関連記事

 On2社とDuck社も,米司法省に書簡を送り,MPEG LAの承認を撤回するよう要求していた。

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