米Microsoftが米国時間3月27日に,「Shared Source CLI implementation」用のソース・コードを利用可能にすると発表した。Shared Source CLIのソース・コードは,ECMA(欧州電子計算機工業会)のCommon Language Infrastructure(CLI)およびC#(Cシャープ)標準の実装に使用しており,Windows XPとFreeeBSD上で動作する。

 「100万行以上にのぼる,Shared Source CLI implementationのソース・コードを提供することで,プログラミング言語の発展と,XML Webサービスの研究を促進する」(Microsoft社)

 Shared Source CLI implementationは,学術/研究/デバッグ/学習目的での利用を想定している。そのソース・コードは,Microsoft社のShared Sourceライセンス・フレームワークの条件下で公開する。「Shared Source CLI implementationにより,開発者はプログラミング言語の試用,相互運用可能なXML Webサービスの構築,ECMA標準の実装をより容易に行えるだろう」(Microsoft社)

 C#およびCLIは,「Microsoft .NET」プラットフォームの主要な構成要素である。C#は,CおよびC++をベースにしたプログラミング言語。Microsoft社が2000年6月に発表した。CLIは,XML Webサービスとアプリケーションの構築/展開/運用を行うためのプラットフォーム「Microsoft .NET Framework」のサブセットである。CLIには,ほかのソフトウエア・ベンダーがXML Webサービスを構築/展開/運用する際に必要となるベース・クラス・ライブラリとコンポーネントが含まれている。

 同社は2000年10月にC#とCLIの仕様をECMAに提出し,米Hewlett-Packard,米IBM,米Intelなどと共に最終的な仕様の策定を行っていた。その後ECMAは,2001年12月に仕様を承認している。

 Shared Source CLI implementationは,同日より同社のWWWサイトでダウンロード可能。また同社のソース・コード開示プログラム「Shared Source Initiative」の詳細についても,同社WWWサイトに掲載している。

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