ストリーミング・メディア技術の標準化団体である「ISMA(Internet Streaming Media Alliance)」が米国時間3月26日に,「MPEG-4 Advanced Audio Coding (AAC) 」のライセンス・プログラムに支持を表明した。

 米Dolby LaboratoriesなどのMPEG-4 AAC技術の特許を持つライセンサが同日開始を発表したライセンス・プログラムを受けて明らかにしたもの。

 MPEG-4 AACのライセンス料は,MPEG-4 Visualのそれと異なり,コンテンツ所有者/提供者に課すライセンス料が設定されていない。またその対象を,パソコン・ベースの製品と非パソコン・ベースの製品とに分けており,「パソコン・ベースのデコーダでは,低料金や年間料金の上限が設定されている。これによりパソコンにおけるMPEG-4 AAC再生を急増させることができる」(ISMA)。

 MPEG-4 Visualのライセンス料を巡っては,米Apple ComputerやISMAなどが「コンテンツに対する利用料は受け入れがたい」として,抗議の声を上げており,業界に波紋を広げている。

 このMPEG-4 Visualのライセンス料はコンテンツ所有者/提供者に対して再生時間に応じた料金を課すというもの。その料金レートは0.00033米ドル/分(1時間当たり2セント)。Apple社は,「これではMPEG-4の市場における成功につながらない」と指摘,MPEG LA社に対して見直しを求めている。

 なおMPEG-4 AAC特許の共同ライセンサには,Dolby社のほか,米AT&T,ドイツFraunhofer IIS-A,ソニーが参加している。またDolby社は同日,フィンランドNokiaも同ライセンサに加わったことを明らかにした。

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[ISMAの発表資料]
[Dolby社の発表資料]